
家にとって最適な断熱材とは~セルロースファイバーの家に住んでみて~
家の断熱とは?
家の断熱とは、生活の快適性を左右する大きな要因と言えます。高価なエアコンや床暖房などを設置しても、断熱が不十分なら満足する効果は発揮できないでしょうし、光熱費も跳ね上がります。
断熱に関しての専門的な内容は他サイトに譲ります。以下は我が家のことを中心に、私が実際に感じたことや学んだことを中心に説明していきます。
断熱の要因
家に関する断熱の要因は大きく分けると以下の3点になるかと思います。
- 躯体⇒家の骨格。木造・鉄骨・RC(鉄筋コンクリート)が代表的
- 断熱材⇒壁や屋根など最も大きな面積を占める
- 建具⇒扉や窓
躯体の断熱性
①木造
我が家は木造軸組み工法で建てられています。鉄骨やコンクリートと比べれば断熱性能は高いのかなと思います。ただ、外気と直接触れる部分は少ないので、断熱に与える影響は限定的と感じています。
②鉄骨
木造軸組み工法と比べると、鉄骨のその強度によりシンプルな構造(枠のみ?)となっている印象です。結果、断熱に与える影響は限定的と思います。
③RC
RCに関しては、壁も含めて全体的にコンクリートで覆ってしまう方法になります。そのままでは断熱が不十分な為、断熱材をコンクリートで包んでしまったり、外側を断熱材で覆う(外張り断熱)などが行われています。
上記方法であれば、断熱材の切れ目がないので高い断熱効果が期待出来ると思います。ただ、RCの特性上無機質な印象や増改改築の難しさなども挙げられる為、総合的な判断が求められますね。
断熱材の断熱性
断熱材に関しては、本当に様々な素材があります。素材ごとの断熱性能だけではなく、施行方法、値段、耐久性など様々な要因が絡んでくるので素人が判断するのは難しいです…。
我が家は「セルロースファイバー」という、新聞の再生紙を利用した自然系素材の断熱材を使用しています。
何故、セルロースファイバーを選んだのか?理由はそれしかなかったからです…。別記事でも記載したんですが、まず最初に決めたのが工務店でした。その工務店が使用する断熱材は一択だったので選択の余地はナシでした。
ただ、結果としては満足でした。その他の断熱材との比較は出来ませんが、セルロースファイバーについて説明していきます。
断熱性
素材の断熱性能を示す断熱材区分は「C」となっています。断熱性能は「A1→A2→B→C→D→F」の順に高くなっていきます。ちょうど中間ぐらいの性能でしょうか?
防音性
防音効果も期待出来るようです。実際にセルロースファイバーを見てもらうと分かるんですが、ボソボソ?フカフカして空気を大量に溜め込んだ素材がパンパンに詰まっています。
空気層が豊富ということは、それだけ防音(吸音)性にも優れていると言えますね。
我が家でも少々の雨などは音が聞こえないので、降っているのが分からないこともあります。
調湿性
新聞紙の再生素材ということは、木材の調湿作用が期待出来ます。躯体である無垢材に加えて断熱材にも吸湿作用があれば最強ですよね。
気密性
断熱材を施行する箇所は場所によって、複雑な形など様々なタイプがあります。一般的な張り付けるタイプの断熱材の場合、施行ムラが起こる可能性があります。
施行ムラが起こってしまうと、布団一部に穴が開いてることと同じなので、いつまで経っても温まらないですよね。
セルロースファイバーの場合、吹き付け工法といって掃除機の逆バージョンの形で吹き付けていきます。なので、細かな場所にも入り込む事が出来るので施行ムラが起こりづらくなります。
難燃性
新聞紙などの再生紙では燃えやすいのでは?と考えますよね。でも燃えないんです。工場見学でも実際にバーナーで炙る実験が行われましたが、炎が広がることはありませんでした。
理由は「ホウ酸」がセルロースファイバーに含まれているからです。ホウ酸は難燃性だけでなく、防カビなどにも機能を発揮するそうです。
ゴキブリ退治などで使用するホウ酸?人間に大丈夫なの?と考えますよね。結論から言うと大丈夫だそうです。詳細の説明は他の専門的なサイトを参考にして下さい。
エコ
新聞紙などの再生紙が原材料になります。断熱材としての役割が終了した後も簡単に処理することが出来ます。強く意識した訳ではありませんが、我が家は自然素材の優しい家となっています。当然、断熱材もエコな物の方が気持ちが良いですよね。
その他
セルロースファイバー施行会社が、建築を依頼した工務店の関連会社というのも安心材料でした。工場見学ではセルロースファイバー吹き込みを実際に見学出来たり、資格研修を行っているなどの説明も受けることが出来ました。
天井裏は完成後でもセルロースファイバーを見ることが出来ます。触ってみるとズシリと重くパンパンに詰まっているのが分かります。
建具の断熱性
家の中で最も熱が移動し易い場所は何処か分かりますか?それは「窓」だそうです。一説によると冬の室内の熱の50%以上が窓から外に逃げているそうです。当然、窓対策は重要になってきますよね。
窓の高機能化
我が家は「アルゴンガス入りLow-Eガラス」の遮熱タイプと断熱タイプを導入していますので少し説明してみます。
最近の窓はペアガラスが標準になっています。そのペアガラス内にアルゴンガスという熱伝導率が低く無害なガスを充填しているタイプになります。
Low-Eとは特殊な金属膜で熱の移動を抑える役割があります。加えて紫外線防止効果や日中の室内が見えづらくなる効果などもあります。
遮熱タイプとは、Low-Eを外側に向けて貼っているタイプになります。これにより太陽光による熱を室内に入れない効果が期待出来ます。我が家では西側の窓に採用しています。
断熱タイプとは、遮熱タイプと反対の役割になります。Low-Eを内側に貼って室内の熱を逃がさないようにしています。我が家では西側以外は全て採用しています。
通常、アルゴンガス入りLow-Eガラスは寒冷地などで採用される高機能窓みたいです。おかげで、どの窓でも全く結露は生じていません。
障子
冬に我が家の窓ガラスに触れるとヒヤリとします。当たり前ですが、どんなに窓を高機能化しても完全な断熱は出来ません。そこで重要なのが、窓と室内を隔てる物ですね。我が家は3種類を使っています。
カーテン⇒我が家では子供部屋と主寝室で使っています。安価で種類が多いのがメリットですね。デメリットとしては、生活感が出やすい、かさばるなどでしょうか?なので、我が家ではお客さんの目に触れる場所には使っていません。
ロールカーテン⇒書斎やキッチンの小窓などに使用しています。シンプルで小さく収納出来るのがメリットです。デメリットはやや高価なこと、光量調整が難しい(レースがない)などが挙げられます。
障子⇒おススメです。我が家ではリビングで使用しています。メリットは戸袋に完全収納出来ること、断熱効果が高いことが挙げられます。障子を出すと部屋の雰囲気がガラリと変わって飽きませんよ!デメリットは破損しやすいことでしょうか?特に小さな子供がいると穴だらけになります…。
家の断熱まとめ
- 家の断熱要因は躯体・断熱材・建具
- 躯体は種類によって差はあるが影響は限定的
- 断熱材のセルロースファイバーは様々な機能を有する
- セルロースファイバーを勧める1番の理由は自然素材とエコ
- 外気の影響は窓から最も受ける
- 窓の断熱性を高めることが重要
- 窓断熱+建具で断熱効果を高める
- 障子は断熱性や収納性に優れているうえに部屋の雰囲気も変える