
OMクワトロソーラー~実際に住んでみて分かった冬の暖かさ~
OMソーラーとは?
結論から言うと、とても満足しています。特に冬の温かさと温度差の少なさは最高です。
OMソーラーとは、めちゃくちゃ簡単に言ってしまうと、太陽光で温まった屋根の熱を床下に送って家全体を温めようという仕組みです。
因みに我が家は、床暖房、お湯採り、換気、発電という4つの機能を備えたOMクワトロソーラーというものを設置しています。
冬のOMソーラーの働き
①蓄熱
大きな屋根で太陽光を受けます。晴れていると、屋根の温度(棟温)は冬場で60℃程、夏場だと80℃程まで温度が上がります。軒下から取り込まれた空気は、屋根の下側を通りながら温められていきます。
温められた空気は、冬場はそのまま床に送って床下の基礎コンクリートで蓄熱をします。夏場は屋外のエコキュートと連動した貯湯槽に熱を送ってお湯取りに利用します。
②発電
蓄熱仕様の屋根は発電にも向いています。我が家は屋根と一体型のソーラーパネルを設置していますが、ソーラーパネルの欠点として発電時に熱を発するということです。加えて、高温になると発電効率が低下することにも繋がります。
そこでOMソーラーが一役買います。OMソーラーは屋根の熱を床下などに移動させる働きがあります。つまり、ソーラーパネルの高温化を防ぐ働きがあると言えます。
③換気・空気清浄
外気の新鮮な空気を温めて室内に送り込みます。結果、室内の温度を下げることなく空気の入れ替えを行うことが出来ます。
温められた空気が床下に降りる前に、フィルターを通過することで空気清浄を行うことも出来ます。こちらはオプションなので費用対効果や管理方法などを考えて我が家は非装着です。家電の空気清浄機で充分かなと思いました…。
④床下への送風
屋根裏にハンドリングボックスという大きな機械があります。そこからダクトという筒を通って床下へ送風します。このダクトというのが家の真ん中をぶち抜いているので、まあまあ存在感があります。
2階のハンドリングボックス真下(我が家はウォーキングクローゼット)であれば、送風時の音がしますが、他の部屋では殆ど聞こえず気になりません。
⑤床暖房
床下に送られた空気は、蓄熱コンクリート(べた基礎)を温めます。床下を温めた空気は部屋の各所にある吹き出し口(窓際に設置)から部屋の中に出ていきます。実はこれ、部屋の温度を下げずに換気も行っていることにもなるんですよね。
因みに、一般的な床暖房のように床が明らかに温かいと感じることはありません(ダクト周辺を除き)。吹き出し口から出る空気(風)に関しても同様です。
ただし、OMソーラーが働けば暖房が必要ない程の室内温度になることからも(後述)、必要十分な温度になっているということでしょうね。
夏のOMソーラーの働き
①蓄熱 ②発電
蓄熱と発電に関しては、冬の場合と同様の働きをします。
③排気
夏場は床下への送風は行わずに熱い空気を外部に排気します。
④お湯採り
夏場の屋根温は最高80℃前後まで上がります。この熱を排気する前にお湯採りに利用する仕組みです。貯湯槽の300リットルの水を50℃まで温めることが出来ます。
外部の貯湯槽へ熱い空気を直接送るのではなく、不凍液を介して熱交換を行います。真夏で晴れていれば、1日分のお湯が電力を使用せずに(システム作動用の電力は除く)作ることができます。
冬場の体感温度
冬場にOMソーラーが働くには直射日光が必要です。ソーラーパネルの場合は曇天でも働くので、そこが違いますね。屋根の温度が40℃程まで上がると床下への送風が始まります。真冬では1時間程の日射で動き出す印象ですね。
OMソーラーが半日以上働くと、室内温度は外気温プラス10℃程となります。調子が良い時はプラス13℃程にもなります。また、1度温まると丸1日は保つことが出来ます。
つまり、OMソーラーが働くと室内温度は18~20℃程となります。仕事から帰ってきて玄関を開けると「暖房がついてる?」と思ってしまう程です。
吹き抜けを介して2階の部屋も暖めることが出来ます。一番寒い北東の部屋でも、外気温プラス8℃ほどの室内温度となります。つまり、全室の温度管理が出来ると言えます。
個人の好みにもよりますが、OMソーラーが働けば、日中~夜間は暖房器具を使用することはありません。朝方は少し寒さを感じるのでエアコンを使用します。ただ、寒いと言っても室温が15℃を下回ることは殆どありませんね。
3日間のOMソーラーの働きです。赤点が屋根の集熱温度で60℃ぐらいまで上がっていますね。青点の外気温と比べて黄点の室温は20℃前後で安定していることが分かります。
この3日間も快晴!という訳ではなく、曇り時々晴れの様な天気でしたが十分にOMソーラーが働いてくれました。外気温に左右され辛く室温が安定することはメチャクチャ快適です。なによりヒートショックの予防など健康面への影響も大きいですよね。
OMソーラーが働くと赤いランプが点ります。作動の様子が視覚的にも分かるように工夫されています。
注意
断熱
室温の安定はOMソーラーだけが理由ではありません。一番大きいのは断熱だと思います。OMソーラーで温めた室内を断熱にて維持する。この組み合わせが重要なんだと思います。
我が家の断熱に関しては、また別の機会に説明出来ればと考えています。
地域性
我が家は日本海側気候の影響を受けるので、冬場の日照時間は少ない傾向にあります。それでも十分に効果を感じることが出来ているので、太平洋側など冬場の日照時間が長い地域では更に効果が期待出来ると思います。
天候次第
ここまで説明してきた様に、OMソーラーは天候に左右されます。つまり、確実性は望めません。「おっ今日は働いてるな」ぐらいの感覚で付き合うのが丁度良いかなと思います。
費用対効果
これに関してはハッキリしたことは分かりません。システムの確実性がないうえに、発電、断熱、補助金など様々な要因が絡んでいるからです。
ただ、ここが皆さんの一番知りたいとこであると思います。こちらも別の機会をとってシッカリと分析と報告を行いたいと思っています。
OMソーラーまとめ
- OMソーラーとは太陽光で温まった屋根の熱で家全体を温めるシステム
- OMクワトロソーラーとは床暖房、お湯採り、換気、発電の4つの機能を有する
- 夏場は床暖房が停止して排気とお湯採りの機能が働く
- OMソーラーが働けば冬場の室温は外気温プラス10~13度
- OMソーラーを活用する為には断熱が重要
- 地域性(気候)の影響を受ける
- 天候に左右されるので確実性は低い
- 様々な要因が絡んでいるので費用対効果は不明